2024.07.5
家づくりのこと
スタッフブログ
モジュール
設計の小林です。
新築工事の刻みが進んでいます。
間崩れ(モジュール通りの位置にない壁等)があり少し時間がかかってしまっているようです。
出来るだけ配慮して検討するのですが、難しいですね。
一般的には、尺貫法からの(1尺約303㎜)1グリッド910㎜(3尺)で設計することが標準となり、建材もそれに合わせた形で多くが作られています。
ですので、天井の高さが2420㎜が多いというのも8尺というキリのいい寸法で壁下地材の規格が用意されており、それより高いと次は9尺の2730㎜となるわけです。
ただ、常々住む方によって高さや広さの心地よさに違いはあるように思うのです。
建築家ル・コルビュジエは
『人はぴったりする大きさの家に住み、文字通り身の丈に合った暮らしをすることが大切』
と考え、建築物の基準尺度に人の寸法を取り入れました。
具体的には身長1830mmの人を基準とし、片手を挙げた時の高さを2260mmに定め
黄金比に近い比例を持つ数値をもとに人体寸法に適合させながらつくりあげた寸法体系、モデュロールを生み出しました。
有名な建築家は尺貫法に捉われない寸法で設計されていることが多くあります。
実際、尺貫法通りに設計するともう少し広い方が良かった、もう少し狭くてもよかったということがあります。
体形によっても違いますよね、細い方、ふくよかな方の感覚はまた異なります。
手の長さ大きさも人によって異なりますので、手すりの高さなどはご希望に合わせて決めることも良くあります。
扉の高さも一般的には2m最近では天井までの2.2mや2.4mが出てきましたが、どうでしょうか。
私は背があまり高くないこともあり、昔の建具高さ1.7~1.8mほどがちょうど良く感じます。
あと、広さと高さは比例した方がバランスがいいとも思います。
古民家でも一番広く格式の高い座敷の天井が高く、手前の部屋など狭い部屋は天井が低くされています。
お部屋が広いのに天井が低いと圧迫感が生まれ、お部屋が狭いのに天井が高すぎると今度はより狭く感じてしまいます。
そうはいっても、とにかく天井は出来るだけ高くしてほしいといったご要望もありますので、その時々で変えています。
他社の先輩設計士さんからいただいた言葉をお借りすると、
「できるだけ引出しを多く持ち、お客様に合ったご提案ができるように常々引出しを増やしていく」
それを第一に日々学んでいきたいです。
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった奈良の木の家づくりをしています。
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