2022.01.23
家づくりのこと
スタッフブログ
介護の暮らしについて考える
輪和建設の阿部です。
最近、家づくりで介護について考える機会が続きました。
事務所近所の方からご依頼をいただき、膝の手術をして退院した後に家で安全に暮らせるように、アプローチ階段と2階の階段ホールに手すりを設置しました。
介護保険の住宅改修を利用する場合は自宅での生活をすることが前提になり、万が一退院できなくなると申請が通らなくなるとのことで、
入院中に工事をすることができず、退院が明らかになってからの工事手配という流れになりました。
そういったシステムになっているのであれば、仕方ないのかもしれませんが、
退院後すぐに手すりがついていたらどんなに便利だっただろう、と思わずにはいられませんでした。
また、プラン提案をさせていただいている中でも、高齢のお母さまを引き取りたいのでリフォームをしたい、というケースがありました。
デイサービスの車の出入り用に掃き出し窓をつけること、介護する人も利用できるように部屋内に手洗いをつけること、などの条件は、介護ならではのものです。
個人住宅でこういった配慮をする際に参考になるのが、「高齢者等配慮対策等級」にかかる基準です。
(https://www.flat35.com/business/standard/flat35s_barrier.html バリアフリー性に関する基準(高齢者等配慮対策等級3)の概要 フラット35HPより)
段差、階段のこう配、手すりの設置、廊下や出入り口の幅、トイレの介助スペースの確保、すべりにくい床仕上材などについて具体的な数値や仕様が示されており、参考になります。
こういった数値や仕様も大切ですが、住まわれる方の生活を深く想像した提案力も必要であると感じます。
夜中にトイレに行く動線、介護に必要な用具を置く収納スペースの位置、
介護する方とされる方の生活空間をどのくらいの程度で分離するか、
介護が必要なくなった将来その部屋はどのような使われ方をするのか、などなどケースバイケースで考えることが少なくありません。
介護される方、介護する方の双方が安全に快適に暮らせることを心掛けて、プラン提案をしていきたいと思います。
「吉野の木を伝統技法で建てる工務店」輪和建設株式会社では、永く健やかな暮らしを求め、自然素材にこだわった木の家づくりをしています。
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